20~59歳のサラリーマンに、仕事のうえで言いたいことを自由に主張してもらった。第2回目は「お客さんに言いたいこと」だ。
Webアンケートによる自由回答で、有効回答は218であった。分析にはユーザーローカルのAIテキストマイニングツールを利用した。
まず、図の見方を確認しておこう。青字が名詞、赤字が動詞、緑字が形容詞となる。文字の大きさは、出現回数だけでなく、その単語の重要度を加味したスコアによって変わる。
それでは、分析結果をみていこう。
一見して目に入るのが「カスハラ」「わがまま」「無理難題」「吹っ掛ける」「ほしい」だ。その他にも「神様」「恐い」といった文字もみられる。いったい何が起こっているのだろうか。その主張は次の通りである。
※主張は原文ママ
仕事上の立場 | 業務 | 年収(額面) | 主張 |
---|---|---|---|
一般社員 | 営業 | 600~799万円 | カスハラのようなクレーム電話はやめてほしい。 |
一般社員 | 技術 | 400~599万円 | パワハラやめて |
管理職 | 営業 | 600~799万円 | わがまますぎ |
チームリーダ | 事務 | 600~799万円 | 無理難題を吹っ掛けないでほしい |
その他 | その他 | 400万円未満 | 理不尽なことはいったりしないでほしい |
一般社員 | 事務 | 400万円未満 | 忖度させようとしないでほしい |
その他 | 技術 | 400万円未満 | 待ち時間は仕方ないのでイライラしないでほしい |
チームリーダ | 営業 | 400~599万円 | 一度承諾して頂いたことを覆して途中で違う考えに至った場合は一度相談してほしい。 |
一般社員 | その他 | 400万円未満 | お客様は神様ってこっちサイドがいうことで客が自分で神様ってどんなか自意識過剰かよ |
チームリーダ | 技術 | 600~799万円 | 恐いです |
もちろんポジティブな意見もみられた。「うちの会社のサービスを楽しんでくれてありがとうございます!」「弊社の製品をご採用頂きまして、ありがとうございます。」といった声だ。しかし、先のとおり、全体的にはネガティブな主張が多くみられた。「お客様は神様です」は三波春夫であろう。
日本のサラリーマンは仕事に対する熱意が低いと言われることがある。アメリカの調査会社ギャラップが2023年に発表した報告書によると、仕事への熱意や職場への愛着を示す「従業員エンゲージメント」は145カ国中最下位の5%であった。
さまざま理由が考えられるが、本アンケートに寄せられた主張も原因のひとつであろう。わがままな顧客に対応するのは、誰にとってもストレスフルなのだ。カスハラ対策の法規制も検討されてはいるが、従業員の力を引き出すには “顧客を選ぶ” ことが有力な選択肢なのかもしれない。
調査概要
調査名称:仕事のうえで、会社やお客さんなどに、ひとこと言っておきたいこと
調査期間:2024年4月23日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~59歳の会社員男女
調査数 :600名
調査方法:Webアンケート