20~59歳のサラリーマンに、仕事のうえで言いたいことを自由に主張してもらった。第3回目は「給料について言いたいこと」だ。

Webアンケートによる自由回答で、有効回答は363であった。分析にはユーザーローカルのAIテキストマイニングツールを利用した。

AIテキストマイニング by ユーザーローカル

まず、図の見方を確認しておこう。青字が名詞、赤字が動詞、緑字が形容詞となる。文字の大きさは、出現回数だけでなく、その単語の重要度を加味したスコアによって変わる。

それでは、分析結果をみていこう。

なかば想定していたことではあるが「上げる」「見合う」「増やす」「仕事内容」「安い」「ほしい」が目立つ結果となった。多数派の意見を代弁すると「仕事内容に見合うよう、給料を上げて欲しい」ということだ。ただし、公平のために言っておくと、調査数600のうち、有効回答は363、有効回答率は60.5%である。残りの39.5%はそこまで不満ではない可能性もある。

次に、具体的な意見をいくつかみてみよう。

※主張は原文ママ

年収(額面)仕事上の立場業務主張
400万円未満派遣・契約事務5年間1円も上がっていない。モチベーションが下がる
400万円未満一般社員事務もっと給料上げほしい。物価が上がっているのに給料は横ばいなので生活が厳しくなる!
400~599万円チームリーダその他責任と業務量の額面が不相応だと思う。
400~599万円一般社員事務トリクルダウンなんて起こらない
600~799万円一般社員営業もっと給料あげろ税金取られすぎて入ってこないわ
600~799万円管理職その他増えてるけど、微増、税金のほうが増えすぎている
800~999万円チームリーダ事務パフォーマンスに合う給料が欲しい
800~999万円その他その他もっと増やすか仕事を減らして
1000万円以上一般社員その他税金高すぎ
1000万円以上一般社員事務十分いただいている

給料を上げて欲しいという意見のほか、物価の上昇への対応や、税金に対する不満があげられた。件数は少なかったが、現状に満足している声もみられた(有効回答のうち約5%)。

「5年間1円も上がっていない」という声があがっているが、もっというと、日本の平均年収は30年間上がっていない。国税庁の統計によると、1992年に455万円だった平均年収が、30年後の2022年に458万円である。本アンケートにおけるサラリーマンの主張「給料を上げて欲しい…」はけっして過分な要求ではないだろう。むしろもっと声を挙げるべきなのである。

という訳で、ここでカネとホンネが代弁させていただこう。「日本企業よ、報酬を用意せず、従業員の強い責任感だけを頼りにするんじゃない。我々がいなくなって困るのは誰なんだ?」

民間給与実態統計調査結果|国税庁

調査概要
調査名称:仕事のうえで、会社やお客さんなどに、ひとこと言っておきたいこと
調査期間:2024年4月23日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~59歳の会社員男女
調査数 :600名
調査方法:Webアンケート

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