20歳から59歳のサラリーマンを対象に、年収や残業時間についてのアンケートを実施した。残業時間が分かると、年間の労働時間が概算できる。本稿では、調査結果をもとに時給への換算も試みた。

まずは、一日の残業時間をみてみよう。残業なしの「0時間」は、年収400万円以下で54.6%と過半数を占めるいっぽう、年収があがるにつれて割合は少なくなり、年収1,000万円では13.5%となる。

続く、残業「1時間」は年収による差はほとんどなく、「2時間」で年収の高い層が逆転する。残業「3時間」になると全体的にぐっと減る。ここでも、割合が多いのは年収が高い層だ。

3時間の残業というと、それ程でもないように思うかもしれないが、毎日続けると一ヶ月で48時間になる(週に一度は残業しないと仮定し、3時間×16日)。労働基準法で定められた上限の45時間を超えている。さらに、毎日4時間以上となるとデンジャーゾーンだ。月の残業時間が60時間を超え、場合によっては違法となることもある。

年収にともなう苦労と果実

次に、年収ごとの残業時間と時給をみてみよう。

まず、一日の残業時間を月間の残業時間に換算した。以下のグラフの青い部分だ。年収400万円以下は10.7時間で、年収があがるにつれて残業時間も増え、1,000万円以上で29.4時間となる。どうやら年収に見合った成果を出すには所定の労働時間(定時)だけでは難しいようだ。

次に、所定の労働時間を1日8時間、月間160時間と仮定し、上記の残業時間を加えて月間の労働時間を算出。さらに年間の労働時間としたうえで、各年収層の平均年収で割った金額を時給とした。結果は以下グラフのオレンジの線となる。

一目瞭然だろう。年収が高くなると残業時間が増え、仕事にかかる負荷が高くなる。いっぽう、時給はそれよりも伸長し、苦労に見合った、もしくはそれ以上の報酬を得ている。

皆さんの状況はいかがだろうか。もちろん年収が高いから幸せと感じるかどうかは、人それぞれだ。ご自身の現状にあてはめてみて、仕事への姿勢を考えるきっかけにしてもらえれば幸いである。

調査概要
調査名称:生活習慣についてのアンケート
調査期間:2024年3月14日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~59歳の会社員男女
調査数 :1,178名
調査方法:Webアンケート

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