年収と幸福度にはどのような関係があるのだろうか。20歳から59歳のサラリーマンを対象にアンケートを行った。
まずは、令和サラリーマンの年収(額面)を確認しておこう。もっとも多いのは「400万未満」の37.0%であった。年収があがるにつれ割合は減っていき、「800万円~999万円」で7.4%、「1,000万円以上」では5.5%となる。
ピンとこないだろうか。偏差値に換算すると、年収1,000万円以上は上位5.5%なので偏差値66、年収800万円以上は上位12.9%で偏差値61となる。前者は慶応大学の商学部、後者は法政大学の経済学部あたりが該当するようだ。
それでは、前置きはこれくらいにして、年収と幸福度の関係をみてみよう。
仕事の幸福、年収800万円に異変あり!?
まずは、仕事の内容、仕事上の立場などに対する幸福度を確認しよう。回答は「とても満足」から「とても不満」までの6段階。このうち、積極的な満足をあらわす「とても満足」「満足」を仕事に満足しており幸福であるとみなした。
年収400万円未満から、400万円以上、600万以上と年収があがるにつれて、幸福度もあがっていくが、年収800万円で幸福度がさがる。その後、年収1,000万円以上で反転し、幸福度は最大の45.9%となる。
おそらくだが、年収があがるにつれて、与えられる裁量も大きくなり、仕事が楽しくなる。しかし、年収800万円を超えたころ、中間管理職になり苦悩が勝るようになる。それを乗り越え、年収1,000万円以上になると職務のスケールが大きくなり、仕事における幸福度がピークになる、といったところだろうか。
以下のグラフからいえることは、出世して年収をあげたほうが幸福になれるということと、年収800万円の人は、もうひと踏ん張りだということだ。カネとホンネ調査部からもエールを送ろう。
家族の幸福、分水嶺は1,000万円!?
次に、家族形態や家族の絆に対する幸福度をみてみよう。回答は同じく6段階で、積極的な満足をあらわす「とても満足」「満足」を幸福であるとみなした。
以下のグラフのとおり、年収1,000万円以上で幸福度が大きく跳ね上がる。年収400万円未満がやや低いが、ほとんど変わらないといっていいだろう。家族に対する幸福度は、年収1,000万円未満と1,000万円以上で二極化しているようだ。
日常生活全般の幸福、ここでもやはり…
最後に、総合的な評価として日常生活全般に対する幸福度をみてみよう。これまでと同様に、「とても満足」「満足」を幸福であるとみなした。
結果は以下のグラフのとおりだ。年収400万円未満がやや低いが、年収1,000万円未満か1,000万円以上で二極化している。おそらく、年収1,000万円未満では日常生活において「余裕がある」と言えるほどのゆとりはないのだろう。
年収1,000万円が分岐点。なかなかハードルの高い話だが、国民負担率はあがり続けており、近い将来、年収1,000万円では幸福を感じることができなくなるかもしれない。
調査概要
調査名称:日常生活における満足度についてのアンケート
調査期間:2024年3月27日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~59歳の会社員男女
調査数 :1,112名
調査方法:Webアンケート