20歳から59歳のサラリーマンを対象に、年収や仕事に対する満足度についてアンケートを行った。失われた30年を脱した日本経済。令和サラリーマンのデフレマインドはどうなったのだろうか。

まずは、サラリーマンの構成を確認しておこう。ここでは「派遣・契約」「一般社員」「管理職」を選択肢とした。もっとも多いのは「一般社員」の70.8%、次いで「管理職」の15.5%、「派遣・契約」の13.8%であった。

それぞれの年収はどうなのだろうか。年収(額面)をみてみよう。

まるで身分制度!?

想像はしていたが、仕事上の立場によって年収にずいぶん開きがあることが明らかになった。「派遣・契約」の71.9%が400万円未満、92.2%が600万円未満。「一般社員」の76.7%が600万円未満。逆に、「管理職」は64.5%が600万以上、41.3%が800万円以上であった。なお、平均年収は以下のとおりである。

派遣・契約:357万円
一般社員 :470万円
管理職  :732万円

令和時代に身分制度でもあるまい。しかし、管理職は激務だろうし、一般社員は口にはできない不満があるかもしれない。もう少し分析を進めよう。

そこそこ満足して、そこそこ不満

仕事の内容や、仕事上の立場などについて満足度を聞いた。選択肢は「とても満足」から「とても不満」までの6段階。積極的な満足を示す「とても満足」「満足」を満足、積極的な不満を示す「とても不満」「不満」を不満とみなした。

結果はグラフのとおりだ。「管理職」の満足が34.9%でやや多いが、満足、不満ともにほとんど変わらないと言っていいだろう。そこそこ満足していて、そこそこ不満なようだ。

では、報酬に対する満足、不満はどうだろうか。

なんで満足しちゃってるの?

自身の能力、経験に応じた報酬をもらっているか、それに満足しているか、同じく6段階で聞いた。

衝撃である。平均年収357万円の「派遣・契約」と、732万円の「管理職」で満足、不満がほとんど変わらないではないか。どうやら、失われた30年の間にデフレマインドが染みついてしまったようだ。

正社員ではないという理由で、「派遣・契約」は「一般社員」より100万円以上年収が低く、当然、「管理職」になることもできない。なのに、仕事に対する満足も、給与に対する満足もほとんど変わらない。なぜ満足してしまっているのだろうか…、カネがないと経済が回らないではないか。満足してはダメなのだ。

日本経済の復活にはまだまだ時間がかかりそうだ。いや、ひょっとすると、叶わない願いなのかもしれない。

調査概要
調査名称:日常生活における満足度についてのアンケート
調査期間:2024年3月27日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~59歳の会社員男女
調査数 :1,112名
調査方法:Webアンケート

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