連載4回目の「コロナを振り返る」はコロナ禍を経て、家計がどう変わったかを調査分析した。なお、連載1回目ではCOVID-19がいったいどんな病気だったのかを振り返り、連載2回目ではワクチンの功罪を論じた。連載3回目ではワクチン接種とCOVID-19罹患の関係を紐解いている。興味のある方は以下の記事をご覧いただきたい。.

【コロナを振り返る-連載①】罹患率は31.7%、症状・後遺症は?

【コロナを振り返る-連載②】ワクチン副反応は71.9%、後遺症も

【コロナを振り返る-連載③】ワクチンで罹患は防げない

全国の15~79歳を対象に、コロナ禍を経た現在、支出が増えたものと、支出が減ったものが何であるかを聞いた。フリーアンサー(FA)形式で回答を得て、その内容をもとに分類している。

まず、増えた支出、減った支出ともに「特に変わらない」がもっとも多く、有効回答808件のうち、それぞれ356件(44.1%)、463件(57.3%)と約半数を占める。それでは、実際に増減した支出の内訳をみてみよう。

コロナ禍を経てなお増える「マスク・衛生用品」

増えた支出は、「食費」がもっとも多く131件、次いで「マスク・衛生用品」の119件であった。そして大きな差をつけて「外食」と続く。「食費」については時期的に物価高の影響も考えられる。注目すべきは、2023年3月のマスク解禁、同5月の5類移行を経てもなお「マスク・衛生用品」の支出が突出していることであろう。コロナ禍では影を潜めていたインフルエンザの流行も影響しているのかもしれない。

削られるレジャーの費用

減った支出は、「外食」がもっとも多く94件、次いで「旅行・お出かけ」66件、「交際費」37件と続く。侘しいことに、レジャーに回すお金から順に削られている。2024年2月になってもなお、コロナ禍の影響を引きずっていることがうかがえる。

家計に与えた影響は?

以下のグラフは、先の調査結果のうち増減の大きい支出をピックアップしたものだ。左側から順に支出が増えたもの、右から順に支出が減ったものを並べている。データ自体は同じものである。先にみたように、生活費関連の支出が増えて、レジャー関連の支出が減っていることが分かる。一目瞭然であろう。

家計にもコロナ禍は少なからぬ影響を与えている。我々がゆとりある生活を取り戻すにはもう少し時間が必要なようだ。

調査概要
調査名称:新型コロナやワクチンにおける症状等についてのアンケート
調査期間:2024年2月7日
調査対象:全国、15~79歳の男女
調査数 :835名
調査方法:Webアンケート
※令和2年国勢調査の性年代別人口をもとにウエイトバックした

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