少子化の進む令和日本。お金の余裕はその原因の一つなのだろうか。20歳から59歳の結婚しているサラリーマンを対象にアンケート調査を実施し、それぞれの世帯年収、年収を明らかにした。

さっそくみてみよう。子あり夫婦の世帯年収は866万円、子なし夫婦は851万円とほとんど変わりはなかった。しかし、年収はそれぞれ594万円、495万円と100万円近い差がみられた。平均年齢は子あり夫婦のほうがやや高くなっている。

続いて、それぞれの内訳を確認しよう。

世帯年収の違いは?

世帯年収の平均値がほとんど変わらなかったのと同様、その分布についても、子あり、子なしで大きな違いは見られなかった。子育てに費用がかかる分、子なし夫婦のほうが生活費には余裕があるだろう。

年収の違いは?

次に、年収の分布を確認しよう。子あり、子なしで大きな違いがみられるのは、年収400万円未満だ。子なし夫婦は年収400万円未満がもっとも多く36.3%である。しかし、仮に年収400万円であっても、配偶者も400万円稼げば世帯年収は800万円になる。さほど生活は苦しくないだろう。子あり夫婦の場合は、子育ての時期によっては、そうはいかないかもしれない。子なし夫婦のメリットのひとつであろう。二人で稼げばよいのだ。

結婚していない場合は?

最後に、結婚していない人も含めた年収を確認しておこう。

まず、女性の年収が400万円前後で固定している点が気にかかる。硬直化した雇用慣行が如実にあらわれているが、本稿の主題ではないので、ここでは指摘するだけにとどめておこう。

男性は、「結婚している」人の「子あり」「子なし」、「結婚していない」人の「子あり」「子なし」の順に年収が低くなっている。その差は最大で215万円になる。どうやら結婚して、さらに、子をもうけるには、男性の年収が大きな要因となっているようだ。

結婚して子供をもうけるために必要なお金は?

では、子供が欲しい夫婦に必要なお金はいくらなのだろうか、夫の年収が689万円ないといけないのだろうか。もちろん、そんなことはない。中央値は年収600万円、年齢47歳だ。つまり47歳になったころ、600万円程度の年収が見込めれば、それほど苦労はしないだろう。アンケートに答えてくれた先輩達のリアルデータである。

政府は少子化対策のため、支援金と称してあらたな負担を国民に求める方針だ。現役世代からカネをむしり取るのはもうやめにした方がいい。将来を見通すことができなくなり、ますます晩婚化、少子化が進むだけなのは目に見えているではないか。

調査概要
調査名称:日常生活における満足度についてのアンケート
調査期間:2024年3月27日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~59歳の会社員男女
調査数 :1,112名
調査方法:Webアンケート

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