20代から60代のサラリーマンを対象に、市販薬(薬局やドラッグストアで購入できる薬)を定期的に購入しているか聞いたところ、26.5%が購入していると回答した。毎月の購入費用は平均で1,702円、中央値は1,000円であった。
次に、少し詳しくその内訳をみてみよう。
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市販薬の購入には、年齢による差はない
年齢ごとの購入傾向をみると、男性は年齢にともなう差がほぼないことが分かる。女性は30代と50代にやや特徴があるが、大きな差はないようだ。購入している市販薬は、加齢にともなう疾病等によるものではなく、持病、もしくは慢性的な症状に対するものだと考えられる。
ところで、サラリーマンの4人に一人が定期的に購入する市販薬の総量はどのくらいのものなのだろうか。
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市販薬の市場は8千億円
20代から60代の人口は約6千万人、その26.5%が毎月1,702円の市販薬を購入した場合、年間で3,247億円となる。厚生労働省によると市販薬の市場は7,954億円(2022年、出荷額)であることから、その約4割を占める計算となる。
なお、内訳のトップ10は下表の通りである。
皆さんが普段お世話になっている薬もあるのではないだろうか。季節はまだ冬だというのに花粉症に悩まされ、市販薬を頼る人も少なくない。ちなみに、薬効分類が「公衆衛生用薬」に該当する殺虫剤には、医薬品扱いのものがある。バルサンやアースレッドなどの燻煙材のほか、スプレータイプの殺虫剤でも医薬品として販売している製品があるようだ。
薬効分類 | 出荷額 | 備考 |
---|---|---|
外皮用薬 | 1,729億円 | 塗り薬、貼り薬など、発毛剤も含まれる |
中枢神経系用薬 | 1,458億円 | 風邪薬、解熱鎮痛剤など |
感覚器官用薬 | 916億円 | 目薬、鼻炎薬など |
ビタミン剤 | 755億円 | ビタミンC、B群、Aなど |
消化器官用薬 | 715億円 | 胃腸薬、下剤など |
漢方製剤 | 435億円 | 漢方薬 |
滋養強壮薬 | 420億円 | ビタミン、アミノ酸、生薬等を配合したもの |
その他の代謝性医薬品 | 387億円 | 糖尿病用剤など |
呼吸器官用薬 | 235億円 | 咳止め薬など |
公衆衛生用薬 | 144億円 | 殺虫剤、消毒剤など |
処方箋による薬はケタ違い
市販薬の市場は7,954億円だが、医療用医薬品(処方箋が必要な薬)の市場規模はケタ違いだ。その額は11兆6,758億円。そのほとんど(窓口負担は3割、後期高齢者は1~2割)が医療保険から拠出されている。いざという時のための保険が、慢性的に浪費されてはいないだろうか。湿布薬を処方する必要はあるか、風邪に抗生物質は必要か、飲み切れない量を処方してはいないか。
尾崎豊の唄ではないが(シェリー。知らない人は調べて)、いずれにしても、高齢化に伴い医療へのニーズがますます高まることは確実である。医療制度が崩壊する前に、市販薬へのシフトを真剣に考える必要があるだろう。
調査概要
調査名称:体の不調についてのアンケート
調査期間:2024年1月16日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20~69歳の会社員男女
調査数 :683名
調査方法:Webアンケート