株式等に投資するサラリーマンはどういう人物像なのか、将来に対してどのような見通しをもっているのか。カネとホンネ調査部では、都市部に居住するサラリーマン505名を対象にアンケート調査を実施した。

投資するには、まず余裕

まず、現在の生活に余裕があるかどうか聞いたところ、投資している層の6割程度が「余裕がある」「やや余裕がある」と回答したのに対し、投資していない層では逆に7割以上が「余裕がない」「あまり余裕がない」と回答した。

投資するには、まず現在の生活に余裕が必要ということだ。

投資していても、半数以上は将来に不安

続いて、将来の生活をどのように見通しているか聞いたところ、投資している層でも半数以上が「安心できない」「あまり安心できない」と回答。投資していない層では7割以上が安心できないと回答した。

投資することで安心を得る割合が若干増えているが、それでも不安を覚える人の方が多いようだ。

金融資産はないが、年金も信用できない

厚生年金等の公的年金を信用しているかどうか聞いたところ、信用できないと回答した割合が全体的に多かった。興味深いことに、投資している層よりも投資していない層の方が、いっそう公的年金を信用していないことが分かった。

投資している人は、公的年金が信用できないことを理由に投資活動を行っているのではなく、金銭的な余裕(現在の生活の余裕)があるから投資しているということだ。投資をしていないため金融資産がなく、さらに公的年金も信用できないと考える人にとって、将来に対する不安はいかほどであろうか。

投資できないのは年収のせい?

年収アップの見込みを聞いたところ、期待できないとの声が全体的に多かった。30年賃金の上がらない日本で、年収アップを期待するのは無邪気に過ぎるのであろうか。

投資している層の6割以上、投資していない層では8割程度が年収アップを「期待できない」「あまり期待できない」と回答した。年収アップを期待しているのは、投資している層の方が多かった。

アンケート回答者505名のうち、投資している層は242名、投資していない層は263名で、ほぼ半数ずつであった。現在の生活に余裕がないため、将来に不安を覚えつつも備えができていない層と、現在の余裕を将来に向けて積み立てている層に二分されている。

調査概要
調査名称:資産運用についてのアンケート
調査期間:2023年12月18日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20~59歳で会社員の男女
調査数 :505名
調査方法:Webアンケート

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