2024年は元旦に能登半島地震があり、かつてない暗澹たる年の始まりであった。それから2カ月が経過したが、国民の災害への意識はどうなったのであろうか。カネとホンネ調査部では、防災意識を調査するため、首都圏の既婚サラリーマン1,190名を対象にアンケートを実施した。

防災グッズの準備、非常食の準備など、7つの項目について確認。それぞれの項目について「準備済み」「準備予定」「予定なし」「その他」の選択肢で回答を得た。「準備済み」の平均は32.8%で、全体的にはやや準備不足であることが分かった。「準備予定」も同程度ではあるが、災害は待ってくれないだろう。厳しいようだが、準備していないのと同じだ。

それでは、上のグラフに沿って各項目をみていこう。

ハザードマップは41.3%が確認済みであった。居住地周辺の災害リスクはもとより、避難場所や避難経路を把握しておくのは大切だ。もしまだなら、今すぐ確認しておこう。

(国土交通省)わがまちハザードマップ

地震保険への加入は必須ではない。被災後の生活を立て直すことを目的とした保険なので、全損の場合でも、火災保険で設定した金額の最大50%までしか補償されない。予定なしが41.4%と多数派なのも納得である。住宅購入直後で多額のローンがあったり、生活が不安定な人は、補償内容を把握したうえで検討すると良いだろう。

防災グッズ、非常食は約3割が準備済みだ。逆にいうと、約7割が準備していないことになる。2011年の東日本大震災を忘れてしまったのだろうか。首都圏でも、スーパーやコンビニから食料品がなくなり、交通網はマヒ、停電も相次いだ(※本アンケートは首都圏居住者を対象にしている)。自力で3日間はしのげる備えをしておきたいところだ。

家族との集合場所は30.5%が確認済み、30.9%が予定なしであった。スマホ、携帯電話が使えないと詰んでしまう人も多いのではないだろうか。ハザードマップの確認とともに、家族との集合場所は決めておこう。ほんのちょっとしたことで、いざという時の安心につながるのだ。

家具等の転倒防止は29.9%が対策済み、34.4%が予定なしであった。東京消防庁によると、地震でけがをした人の3~5割が家具類の転倒・落下が原因であったようだ。古い家屋をイメージした人もいるだろうが、タワーマンションの高層階のほうが危険だったりする。住まいにあわせて対策しておきたい。

(東京消防庁)家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック

火災保険の見直しも、地震保険と同じく必須ではない。家計の状況や、家族の異動、リフォームなどのタイミングで検討すると良いだろう。

繰り返しとなるが、防災に関しては “やるつもり” ではダメだ。明日にも、あなた自身や、あなたの大事な人が災害に巻き込まれるかもしれない。貴重な時間を割いて、ここまで記事を読んでくれたのだ。今すぐ準備しておこう。

調査概要
調査名称:災害への備えについてのアンケート
調査期間:2024年2月28日
調査対象:首都圏(※)に居住する、30歳~69歳で既婚の会社員男女
     ※東京、埼玉、千葉、神奈川
調査数 :1,190名
調査方法:Webアンケート

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