20歳から59歳のサラリーマンを対象に、どのような本を読んでいるかアンケート調査を実施した。それぞれのジャンルごとに「よく読む」「たまに読む」「ほとんど読まない」「まったく読まない」で回答を得た。

さっそく、結果をみてみよう。

ランキングトップは「漫画」であった。「よく読む」「たまに読む」が45.6%と約半数を占める。「社会人が漫画とは情けない…」と思ったあなたは時代遅れだ。国内の漫画市場は一時期衰退傾向にあったが、電子コミックの普及により市場は拡大に転じている。グローバル市場は一貫して成長を続けており、Mangaを愛する人はますます増えている。日本が世界に誇るコンテンツなのである。そして、そのルーツは平安時代の鳥獣人物戯画だといわれている。サラリーマンは身銭を切って漫画産業に貢献し、日本文化の継承に努めているのだ、といえば言い過ぎだろうか。
ちなみにアンケートの補足で「漫画」ジャンルには、漫画雑誌なども含むとした。

次いで、「小説・文学」が42.3%であった。活字離れが叫ばれて久しいが、「小説・文学」のジャンルは健闘しているようだ。テレビはいうに及ばず、Netflixなどのオンデマンド配信や、Switch、PS5などのゲーム、スマホにSNSとインドアで楽しめる娯楽が溢れるなかでの42.3%である。ただし、市場は縮小傾向にあるので楽観視はできないだろう。魅力的なコンテンツで、読者を惹きつけることを期待したい。
なおアンケートの補足で、「小説・文学」ジャンルには、ミステリ、歴史小説、古典、エッセーなども含むとした。

ランキング3位は「趣味・実用・エンタメ」であった。その性質から「たまに読む」がもっとも多く30.5%であった。「趣味・実用・エンタメ」ジャンルには、料理、ファッション、音楽なども含むとした。

読書とはいわないが、比較のために「新聞」を読むか聞いた。「よく読む」「たまに読む」は34.4%で、およそ3人に1人が新聞を読んでいるようだ。読書するジャンルと比較すると少なくはないが、かつて隆盛を誇った時代からは隔世の感がある。日本新聞協会によると、2000年に1世帯あたり1.13であった部数は、2023年に0.49となった。インターネットの普及がもっとも影響を与えた産業の一つであろう。

読まれている上位ジャンルは以上の通りであった。以降、アンケートにあたっての、各ジャンルの補足説明を記しておく。

「ご自身の仕事・業務に関する本」には、資格なども含む。
「雑誌」には、週刊紙、エンタメ、ファッションなども含む。漫画雑誌は除く。
「ビジネス・経済」には、経営、ビジネス人物伝、金融、投資なども含む。
「自己啓発」には、仕事術、生きがい、キャリア、資産形成なども含む。
「政治・社会・歴史」には、国際関係、思想、歴史読み物なども含む。

調査概要
調査名称:読書についてのアンケート
調査期間:2024年3月7日
調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)に居住する、20歳~59歳の会社員男女
調査数 :823名
調査方法:Webアンケート